思考を鳥で捉えるメタ認知法で心の平穏を得る

はじめに

自分が今、何を考えているかを主体的に認識することで、心の平穏を得る方法を紹介します。何を考えるか自分の意志だけでコントロールしづらいものですが、「何を考えたか」をメタ認知し、名前を付けて可視化することで、思考そのものに振り回されずに自分の心を整えるアプローチです。

birds

思考を「鳥」に例える理由

ふと苦い過去を思い出したり、将来が不安になったり、悩み事が夜間に頭から離れなくなったりする瞬間は、コントロールできない「鳥」が自分の目の前に気まぐれにやって来ては去っていくようなものです。この鳥を追いかけたり、捕まえようとしたり、追い払ったりする必要はありません。大切なのは「今、何の鳥が来たか」ということを認識することだけです。

なお、この鳥のオリジナルのアイデアは Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法 ロルフ・ドベリ (著), 安原 実津 (翻訳) にあり、この本では「感情は飛んで来ては去っていく鳥のようなもの」というように感情を鳥に例えることで、自分の感情と距離を置き、客観的に遊び心を持って付き合う技術を示しています。
この鳥の例えは秀逸で、感情はもちろん、ふとした時に自分の意思とは関係なく湧き出てくる思考にも適用することができます。
自分が何を考えているのかは他人は全く気にしていないし、今目の前の現実とは関係ない事であれば尚更、自分がその思考を重視する必要はないわけです。このことを認知する技術の一つが、鳥を例えに使うことです。

実践手順

  1. 名前をつける
    飛んできた思考に短い名前をつけることで、客観視しやすくします。実在の鳥の種類を当てはめても良いです。

  2. 姿を思い浮かべる
    色・大きさ・羽ばたく音など具体的な特徴をイメージし、どんな種類の鳥が来たかということ集中します。

  3. 認識を維持する
    鳥が去るまで「今そこに鳥がいる」という感覚を保ち続けます。

  4. 回数を数える
    1日に何回その鳥(思考)が飛来したかを大体で良いので数えます。

このプロセスにより、「思考が来た」という一つ上の階層に身を置くことができ、思考の内容に深入りせずに手放せるようになります。

具体例:

好ましい鳥も、招かざる鳥もいます。これらの鳥を思い浮かべることで、不安や雑念にとらわれた瞬間に「鳥が来た」とだけ認識し、思考の中身に深入りせずにやり過ごせるようになります。

メリットと成果

この方法を継続することで、「何を考えるか」を自分で選択しやすくなり、結果として心の平穏が得られました。この平穏はまるで、何日か深い自然の中で休暇を過ごした後のような、深いレベルのものです。

結論

目の前で起きている現実のことだけを考えることで、心の状態は良好になります。

今この瞬間の現実が苦しい状況なら、そのままの苦しみを感じることになりますが、鳥が来たことを認識することで、過去や未来の悩みから来る苦しみは消え去ります。
現実に起きていないことを思考することをやめると、頭を休ませることができ、精神に余力を生まれます。余力が生まれることで目の前の人や事に集中できるようになった実感があります。